〜目加田からひとこと〜
Message From Prof. Mekada

私達の研究室では、「膜結合型増殖因子の作用機構」ということを主たるテーマに仕事をしています。


 膜結合型細胞増殖因子というのは、膜貫通領域を持ち、細胞膜(原形質膜)にアンカーされた状態で存在する細胞増殖因子のことです。膜結合型増殖因子は、分泌型増殖因子の前駆体であるだけでなく、時には膜結合型の状態で細胞接着を介した細胞増殖や分化の制御を行っていると考えられています。既に多くの研究がなされている分泌型の増殖因子やサイトカインと比べると、膜結合型因子についての研究はまだまだ少なく、その分これから大いに発展する分野であると期待しています。


 私達の研究室で扱っている膜結合型増殖因子は HB-EGF と云う EGF ファミリーに属する因子です。これは、私が以前から研究していたジフテリア毒素リセプターと同一の分子です。すなわち、 HB-EGF は、一方では増殖因子のリガンドとして働き、他方ジフテリア毒素のリセプターとして働くユニークな分子です。 HB-EGF は、 CD9、インテグリン、ヘパラン硫酸プロテオグリカンなどの膜タンパクと複合体を作っていることも興味深い特徴です。現在の具体的な研究テーマは別に詳しく書いていますので、そちらを参照して下さい。


 研究の進め方やテーマの選び方は、研究者によってそれぞれ異なりますが、私自身は「自分達で開発したオリジナルな材料や手法を用いて、一つのことをじっくりと調べていく」という手法を好んでいます。現在の研究テーマも、私が二十年以上前から扱っているジフテリア毒素に関する研究から生まれてきたものです。ですから今も、ジフテリア毒素やジフテリア毒素リセプターについてのこれまでの蓄積を活用しながら研究を進めていくようにしています。もちろん、研究は「独りよがり」や「重箱の隅をつつくようなもの」では困りますので、生命科学の重要な課題にアプローチ出来るように、テーマを選んで進めていきたいと考えています。大学院生や研究員の人たちにも、なるべく独立したテーマで研究を進めてもらうようにしています。研究室によっては、メンバー全員がそれぞれ得意領域を受け持つ分業体制で一つの仕事を仕上げる、という進め方をしているところもあります。競争の激しい世界で短期間に質の高い仕事を仕上げるためには、そのような方法もある程度導入しないと生き残っていけませんが、私自身は「手作りの研究」が好きなので、誰が中心になって進めた研究であるか分かるような体制で仕事をしていきたいと思っています。(→おまけページ


 
ーー目加田履歴ーー

 昭和45年 3月 大阪府立 市岡高校 卒業

 昭和49年 3月 山形大学 理学部 生物学科 卒業

 昭和49年 4月 大阪大学微生物病研究所 研究生 

 昭和54年 11月 大阪大学微生物病研究所 助手

 昭和57年 4月 大阪大学細胞工学センター 助手

 昭和63年 4月 大阪大学細胞工学センター 助教授

 昭和63年 9月 久留米大学 教授 

         分子生命科学研究所設置準備担当

 平成元年  4月 久留米大学分子生命科学研究所 教授

 平成12年 1月 大阪大学微生物病研究所 教授